今回は股関節の靱帯についての動画を作成してみました。作成理由としては自分自身解剖が苦手なので、勉強と再確認の意味です.大腿骨頭を取り巻く靱帯を立体的に表現したかったのですが,自分の今の力量では難しいものがありました.また大事になってくるのが緊張する肢位や弛緩する肢位だと思ったので,載せました.
今後は股関節の機能的解剖学についての動画を作りたいと考えています.
股関節の靱帯
1.股関節の構造
股関節は身体の典型的な臼状関節である.大腿骨頭は多くの靱帯と筋により寛骨臼に確実に保持されている.厚い関節軟骨,筋,大腿骨近位の海綿骨は常に股関節にかかる大きな力の減衰を補助する.これら保護機構が疾患や損傷によって破綻すると,関節構造が崩壊される.
大腿骨頭:大腿骨頭は(鼠径靭帯)の中1/3のすぐ下に位置している.成人の両側骨頭の中心間距離は平均17.5cm(6.9インチ)である.大腿骨頭はほぼ完全な球面の2/3を形成する.
骨頭中心わずか後方の顕著なくぼみが大腿骨頭窩である(図1).
股関節靭帯
関節の結合力を強化するために,関節には靭帯が備わっている.靭帯はまた,関節の方向を制限したり,過渡の関節運動を防止する.靭帯は平行密性結合組織であり,関節包の線維膜と連続して関節包靭帯となったり,関節包とは分離した関節包外靭帯となったり,あるいは関節包より内側にある関節包内靭帯となる.
股関節の靭帯は,関節包を補強する関節包外靭帯である①(腸骨大腿靭帯),②(恥骨大腿靭帯),③(坐骨大腿靭帯)により構成され,運動を制限している.
その他の靭帯には関節包内靭帯である④(大腿骨頭靭帯),⑤(寛骨臼横靭帯),⑥(輪帯)などがある.
腸骨大腿靭帯
人体で最も強い靭帯で,直立したときに,股関節が過伸展することを制限する機能を有している.(直立姿勢の保持を助ける)下前腸骨棘と寛骨臼上縁から起こり,転子間線に付着し関節包の上面及び前面を補強する.付着部は上外側と下内側に区別され,Y字を逆にしたような形のためY時靭帯とも呼ばれている.走行位置から大転子辺りに付着する上外側部は,股関節の(外旋,内転,伸展)を制限し,転子間線あたりに付着する下内側部は(内旋,伸展)を制限する.
恥骨大腿靭帯
寛骨臼縁の恥骨部と腸恥隆起を起始部とし,腸骨大腿靭帯の内側部に混じり付着する.股関節の(外転)を制限する.
坐骨大腿靭帯
股関節の関節包の後方を補強する靭帯.寛骨臼縁の坐骨部から起こり,大腿骨頸部後面かを外上方に走り,大転子内側に付着する.股関節(内旋)を制限するが,股関節(過伸展)も制限する.
大腿骨頭靭帯
この靭帯には,骨の連結を補強するという靭帯としての機能はほとんどない.寛骨臼切痕及び寛骨臼横靭帯と大腿骨頭窩に付着している.股関節を(屈曲・内転)すると靭帯は緊張し,(外転)すると弛緩する.関節包内に存在し,周囲は滑膜に覆われている.
寛骨臼横靭帯
寛骨臼切痕の上方を覆うように付着し関節臼を補う.
輪帯
大腿骨頚部の最も狭い部分を巻き,関節包の過度の伸展を抑制し大腿骨頭が抜けないように安定させている.
参考図書
中村隆一 ほか,基礎運動学 第6版,医歯薬出版. 2009
嶋田智明他監訳, 筋骨格系のキネシオロジー.医歯薬出版株式会社,2006
奈良勲他監修, 標準理学療法学 作業療法学 専門分野 解剖学 第2版, 医学書院 2008
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