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理学療法士による身体活動研究チャンネル。医学に関する専門的な知識を動画を使い説明しています。解剖、運動、生理学はテキストで勉強するよりもビジュアルを通して学んだ方が記憶にのこるのではないかと思い、学生時代からこの活動を始めました。今後は臨床で感じた新たなニーズを等身大で表現していきたいと思います。※身体の活動には個人差があります。ご心配な方はお近くの医療施設にご相談下さい。

2013年5月19日日曜日

相反抑制 Reciprocal inhibition : 理学療法士による身体活動研究


相反抑制とは主動筋が収縮する際に拮抗する筋が弛緩する神経機構を言います。

例えば肘関節を屈曲させる際には上腕二頭筋が主動筋として働きます。

その際、上腕二頭筋が収縮しやすように拮抗する上腕三頭筋は弛緩します。

上腕三頭筋が弛緩するために、上腕二頭筋の筋紡錘から求心性Ⅰa線維が抑制性の介在ニューロンを介して脊髄前角細胞を抑制し拮抗する上腕三頭筋の筋緊張を低下させます。
この機構が相反抑制、またはⅠa抑制と呼びます。

前角から出る遠心性の神経繊維は基本的にはαです。
介在ニューロンを介していない赤い神経繊維は伸張反射に利用されます。



脊髄後根から求心性線維が入り
前角細胞から遠心性の刺激が出るという基本を再認識


臨床では筋緊張が高く可動域が低下した関節などに相反抑制を応用して治療を行います。

2013年5月9日木曜日

筋収縮形態 Type of muscle contraction: 理学療法士による身体活動研究



筋収縮を大きく分けると求心性収縮、遠心性収縮、等尺性収縮に分けられます。

まずは一番イメージし易い求心性収縮です。
求心性収縮とは筋肉の起始部と停止部が近づいていく収縮のことです。

収縮力が抵抗よりも大きい場合をさします。
例えばダンベルを胸に近づける運動をした場合の上腕二頭筋は求心性収縮をしています。

この収縮とは逆の状態を遠心性収縮と言います。
遠心性収縮とは筋の起始部と停止部が遠ざかっていく状態です。
抵抗が収縮力よりお大きい場合をさします。
例えばダンベルを置く際の上腕二頭筋は収縮しながら起始と停止が遠ざかっているので、遠心性収縮をしています。この場合ゆっくりダンベルを置けば置くほど遠心性収縮の負荷は強いと言えます。

筋力トレーニングを行う際に効果的な負荷を掛けられるのは遠心性収縮と言われています。しかし、遠心性収縮は外力や負荷が筋力よりも大きいため、筋力を損傷している場合や著しく筋力が低下している場合には注意が必要です。

この2つの収縮とは違い起始部、停止部の位置が変わらずに筋肉が収縮している状態を等尺性収縮と言います。一定位置にダンベルを止めておく場合、上腕二頭筋や上腕三頭筋、腕の筋肉は 等尺性の収縮をしていると言えます。

リハビリではトレーニングの意図により収縮形態を選んで行う必要があります。


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2012年11月29日木曜日

人骨骨頭置換術、人工股関節置換術 : 理学療法士による身体活動研究




今日は人工骨頭置換術と人工股関節置換術についてお話したいと思います。

まずは人工骨頭置換術です。
この手術が一番多い症例としては高齢者の方の転倒です。

新潟県内の老人介護福祉施設における骨折の調査研究
平成19年度骨折調査報告
http://www.med.niigata-u.ac.jp/hyg/kossetu.pdf

転倒により大腿骨頚部を骨折した際に
大腿骨の骨頭を切除し人工の骨頭と置き換えます。

骨頭のみを人工に置き換えます。




次に人工股関節置換中です。
この手術が適応される症例としては
変形性股関節症や関節リウマチ、大腿骨頭壊死などです。

股関節の形状が変化した場合に人工の関節に置き換えます。
先ほどの人工骨頭置換術と違う点は受側である
股関節の臼蓋も人工のものに置き換えます。

股関節の臼蓋と大腿骨の骨頭
どちらも人工に置き換えます。


どちらの手術も脱臼や血栓症、感染などのリスクを伴います。
術後のリハビリでは脱臼肢位を避けた日常生活動作を習得することが重要です。
次回は術式による脱臼肢位についてお話したいと思います。




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2012年11月22日木曜日

理学療法士 評価実習の流れ 2週目


さて、さて、勝負は2週目からです。

施設の雰囲気にもなれて
爆弾気味なスタッフ
安全そうなスタッフ
が自分なりに分かってきたころでしょうか。(笑)

実習を乗り切るためには、自分なりに危険を察知する能力も重要です!!

いよいよ担当する症例患者さんの評価が始まります。

よく言われることですが
患者さんの信頼関係(ラポール)を築きましょう。

バイザーも1週間あなたのことを観察・評価し
任せても大丈夫そうな患者さんを担当させてくれるはずです。

ここで陥りやすいのは、患者さんと良い関係を築きたいという思いが強すぎて
なんでもしてあげたくなってしまうことです。

そうなると、理学療法士として患者さんの問題点がみえずらくなってしまいます。

あくまでも患者さんの『問題点を探す』ということを忘れないで下さい。
(ICIDHで考えると良いと思います。)
私達の仕事は患者さんの問題点を見つけて治療することです。

問題点を探すためにどんな評価が必要か?





まず、評価日を何日もらえるかという問題もありますね。
参考までに、私は3日間でしたが、終わらずに4.5日でした。。。

あまり評価日に時間をかけると
1日目に評価した内容と4日目に評価した内容では
患者さんの状態も変わってしまい
統合と解釈の辻褄が合わなくなってしまいます。


出来るだけ時間を掛けずに評価することをお進めします。

現場の療法士はわずかな治療の中で常に評価しています
バイザーからすれば、評価に日数を掛けるのは
歯がゆく感じてしまうかもしれません。

しかし、始めからそんなになんでも出来る学生なんていませんし
もし、なんでも出来たらバイザーから更なる課題が課されます。

出来ないぐらいが学生として丁度良いと思うので
評価したいことを全てバイザーに伝えましょう。

では、始めに何を評価するのか?

まずは問診と言いところですが、
その前にしなくてはいけないことがありますね。

では、また次回。

2012年10月20日土曜日

理学療法士 評価実習の流れ 1週目

前回は評価実習の大まかな流れについて書きました。
では、主に1週目は何をするのか詳しく書いていきます。

まずは、なんと言っても初日ですね。
完全アウェーの環境に1人で飛び込むといった状況です。
よく言われるように人の印象は数秒で決まります。
清潔感溢れる服装や身だしなみ
元気な振る舞いに気をつかいましょう。

ノンバーバル(非言語的コミュニケーション)

見た目や行動、仕草がいかに大事かがわかります。



笑顔と元気な挨拶を忘れずに!
『おはようございます。○○学校から来ました。○○です。本日から評価実習で1ヶ月お世話になります。よろしくお願いします』

このような感じでしょうか。
とても緊張しますね。初日には。。。
私も前日はなかなか寝付けませんでした。

初日は、ほぼ見学だと思って良いです。
し聞いた話ですが、初日から評価させられる場合もありますので、
しっかり、検査器具や評価用紙は用意しておきましょう。

施設にも長谷川式の評価用紙や、線2等分試験の用紙などはあると思いますが、
実習生としては、プリントアウトしておいた方が良いと思います。

実習での持ち物再確認!!

そして、そして。

見学の最後に必ず聞かれますよね?

例の言葉
『なにかありますか?』
このバイザーからの質問に
『なにもありません』
と答える人はいませんね。

必ず、治療するのを見学する際は
終わった後に、何を質問することを考えて下さいね。

本来は自然と疑問に思うことが出てくるのですが
意外に、この質問が苦手な人が多いですよね。

その理由は
1、何を聞いてよいのか、わからない。
2、全て理解している。
3、やる気がない。。。。

質問上手な方はありまり困らないかもしれませんが
もし、質問が苦手な方はこのようなことを意識して見学して下さい。

もしかたら、明日から自分が担当する症例になるかもしれない。
そして
もし、自分が担当するとしたらリスク管理をどう行うか。
もし、自分が担当し、治療を行うとしたら。

こんな『もし』を幾つか考えながら見学すると
質問が浮かんでくるのではないでしょうか。

そして、あまり考え過ぎづに、疑問に思ったことを質問して下さい。
バイザーの先生も何が分からないのかが分からない
という声を良く耳にします。

治療を見学する時はいろんな『もし』を考えて下さい。



リハビリに来る患者さんを常に観察して下さい。
その理由は、もしかするといつ誰が担当する患者さんになるか分からないからです。

バイザー(指導者)の立場からすると、
自分の担当する患者さんを学生に担当させるわけですから
とても慎重になります。

患者さんのキャラクターや障害の程度など
様々なリスクを考えます。

学生もドキドキだと思いますが
バイザーもかなり気を使うところです。

2週目から評価を始めるとなると、
1週目の終わりには担当する症例の患者さんは
決まると思います。

『評価したい項目を考えておいて』
みたいな感じになりますね。

1週目ではバイザーとの信頼関係をしっかりと築けるように
デイリーノートや調べものなどは
少し気合いを入れても良いと思います。

しかし、入れすぎると担当する症例が決まってからも
続けないと手を抜いてると思われますから
ほどほどにですね。。。






2012年10月15日月曜日

第2段CM【DVD】鯨岡栄一郎による『超』リーダーシップ・コーチングセミナー



ついに今月の10月31日に発売日が決定しました!!

鯨岡栄一郎氏 待望のセミナーDVD化、しかも書籍の発売と重なり話題性急上昇中です。
今回は第2弾CMを制作しましたので、ご覧下さい。


2012年10月14日日曜日

理学療法士 評価実習の流れ


理学療法士の評価実習の流れについて書きたいと思います。
長くなってしまいそうなので、数回にわけて書いていきますね。

主に、理学療法士の実習は評価実習、治療実習(臨床実習、インターン)がメインになります。
その他には見学実習や検査測定実習などでしょうか。

私の通っていた学校は
見学実習3日
検査測定実習3日
評価実習1ヶ月
治療実習2ヶ月×2回でした。

これは、学校によって違いがあります。

検査測定実習が1週間というところもありますし、評価実習がなく、治療実習2ヶ月半×2回など、学校によって様々です。

ですが、今回は初めての長期実習である評価実習について書いていきます。
(私の経験談と他の学生や他の療法士から聞いたことも含まれています)


例ですが、1ヶ月の場合大まかにこの様な流れが多いのではないでしょうか。
私の場合はこのように始め説明を受け
少しずつ前倒しで進んでいきました。

これはあくまでも1症例の場合です。
中には2症例担当する場合もあります。
その場合は1週目から評価が始まり、評価終わり次第レポート作成ですね。

聞いた話ですが、4症例というところもあるそうです。
スケジュールはタイトですが、力はつきそうですね。
しかし、個人的な意見としては、症例を沢山持ちすぎると考える時間が
なくなり、こなすだけになってしまう気がします。


正直、今考えると、この評価実習が一番大変でした。
なにが大変かというと、まずは、兎に角はじめての実習長期ということです。

それに、実習の流れが把握できず、常にレポートの手直しと再提出を繰り返し、先きの見えない戦いにとても不安になったことを覚えています。

やはり先きが見えないというのはとても不安になります。
なので、この記事を読んでもらい、評価実習の流れを掴んでもらえたらと思っています。

また、実習ならではの不安に襲われた場合の思考の転換法なんかも書いていければと思っています。


話は変わりますが、理学療法士の実習の場合
1人でまったく知らない病院で実習することが多いです。
(ちなみに看護師さんの場合は3〜4人かのグループで実習するようです)

完全アウエーの状況ですね。。。
大きい病因では他の学校の実習生などと同じにもなりますが
基本的にアウエーです。

何十人の療法士に常に注目されています。


ここで、読み直してみるととてもマイナスな要素ばかりですね。(汗)

大変なことも多いですが
初めて患者さんを担当することが出来る機会であり
理学療法士としての考え方を構築する場でもあります。

本来、楽しくこの実習を過ごすことが出来れば良いのですが
なかなかそうは行きません。

その理由も幾つか紹介していきます。
(実習が辛いのには理由があります。そして、実習の辛さの理由がわかれば、少し楽になると思いますよ。)

初めて患者さんと接する機会でもあります。
本来はとても素晴らしい経験をする機会なのですが
実習が上手くいかないと、物凄いストレスを感じます。

そうならない為に、しっかりと準備しましょう!!